| +1st anniversary+ |
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| カーテンの隙間から差し込む朝陽が眩しくてヒイロは目を開けた。 ちらっと壁に掛かっている時計を見ると時間はまだ6時半を少し回ったとろこだった。 そっと隣りを見れば、まだ夢の中にいるのかすやすやと穏やかな寝息をたてているデュオ。 腕の中で幸せそうに眠るデュオを起こさない様にヒイロはそっとおでこに唇を押し当てる。 それでもまだ起きる気配のないデュオの頭をそっと腕から下ろしヒイロは半身を起こした。 離れた温もりが寂しいのか、ただ寒いのかデュオが少し身じろいだ。 その拍子にいつものおさげではなく解かれていた髪の毛が裸の胸にさらりと流れた。 ヒイロはその髪をゆっくりと背中に流してやってシーツから覗く形の良い胸に視線を移した。 そこには昨日ヒイロがつけた所有の印がまだ鮮明に残っている。 もう一度そこに口付けたい衝動に駆られ吸い寄せられるままに印を刻んだ。 そっと触れてきつく吸う。 ただそれだけの行為でひどく満足な気分になれる。 それでも起きないデュオにシーツを掛け直してやり、暖房のスイッチを入れた。 そのままヒイロはそっとベッドを抜け出した。 シャワーを浴びて戻ってきてもまだデュオは眠ったままだ。 部屋は暖房のお陰で暖かい。 ヒイロはそっとベッドサイドに腰掛けた。 デュオの穏やかな寝顔を見つめながら微笑むヒイロ。 少しの間その寝顔を見つめていたがふとベッド横に備え付けられている机の引き出しを開けた。 取り出したのは丁寧に梱包された小さな箱。 それを躊躇うことなく開くと、出てきたのはシンプルなシルバーリング。 カーテンの隙間から覗く太陽に見せつけるかの様に持ち上げて輝きを確かめる。 そしてその指輪を寝ているデュオの左手の薬指にそっと嵌めた。 再びシーツの中に戻す前にその指に誓いのキスをして。 それでもまだ起きる気配のないデュオ。 昨晩は久しぶりに抱き合った。 そのせいでか疲れている様に見える。 ヒイロはデュオの髪の毛を一房摘んで口元に運んだ。 そうしてそこにもキスを落とすとそっと立ち上がり部屋を後にした。 朝食の準備もそろそろ終わろうとしていた頃に漸くデュオが起きて来た。 裸の身体にシーツを巻きつけた状態のままでヒイロの側まで歩いてくる。 「おはよう。よく眠れたか?」 「ん。」 まだ少し眠いのか目をパチパチと瞬かせている。 「まだ寝ていてもいいぞ。」 「んー。」 デュオは閉じそうになる目を両方の指で軽く擦る。 そして何か違和感がある事に気づいたのか目を擦る動きが止まった。 そろっと自分の左手を見るデュオ。 「こ、これって。」 ばっとヒイロの方に顔を上げれば、漸く気づいたかと言わんばかりの顔がそこにはあった。 ヒイロはデュオの両手をそっと取り胸の高さまで持ってくる。 「今日は俺たちが一緒に暮らし始めて1年になる。」 「……うん。」 「付き合って2年。一緒に暮らして1年。そろそろいいんじゃないかと思った。」 「何……が?」 「結婚しよう。」 そう言ってヒイロはデュオの指先にキスを送る。 「そんな……いきなり言われても……。」 「いきなりではない。ずっと考えていた。」 ギュッと手を握り真剣な顔で答えるヒイロ。 デュオの瞳から涙が零れ落ちた。 それを唇で吸い取ってやりながら更に問う。 「駄目か?」 「っ、ダメじゃ……ないよ。」 デュオは精一杯の気持ちを込めてヒイロに抱きついた。 ヒイロもその気持ちを分かっているかの様に力強く抱き締め返す。 デュオの笑顔がとても綺麗だった。 ヒイロはその笑顔が見たかったのだと思った。 「とりあえずシャワーを浴びて来い。」 ヒイロは軽く触れるだけのキスをデュオにしてシャワールームに連れて行った。 朝食をテーブルに運びながらこれからの予定をシュミレーションするヒイロ。 「まずは式場の予約だな。」 そんな幸せいっぱいのヒイロの独り事はもちろんデュオには聞こえていない。 あとがき |